歴史的大敗は必然だった!? 麻生太郎政権を追い詰めた“側近政治”の恐ろしさ

退陣後も要職を歴任

そして、例によって例のごとく、麻生は横浜市の会合でまた失言をやらかしてしまう。

これは「元気な高齢者をいかに使うか。高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」といった失言で、時の執行部の一人などは「また“地雷”を踏んでしまったな。もう選挙にはならんね」と、投開票日を前にして事実上の“敗北宣言”をしていたのだった。

結果、自民党にとっての総選挙は案の定の敗北、麻生はその責任から退陣を余儀なくされ政局は鳴動、民主党が政権交代を実現することになる。

ちなみに、その後に民主党政権は「官僚政治からの脱却」「政治主導」を標榜したものの、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦と首相が目まぐるしく代わるなか、わずか3年余で自民党に政権奪回を許してしまった。

一方、自民党は第1次政権を投げ出した安倍晋三が民主党政権を倒し、第2次政権として復活することになる。

麻生は退陣した後も、安倍政権下で副総理兼財務相を務めるなど要職を歴任、現在は高市早苗首相を誕生させた“論功行賞”として自民党副総裁のイスに座り、いまなお政権の「監視役」を担っている。

御年85歳ながらただならぬ“生々しさ”で、永田町でいわく「妖怪」として生き長らえているのである。

(本文中敬称略/この項つづく)

「週刊実話」1月29日号より

小林吉弥(こばやし・きちや)

政治評論家。早稲田大学卒。半世紀を超える永田町取材歴を通じて、抜群の確度を誇る政局・選挙分析に定評がある。最近刊に『田中角栄名言集』(幻冬舎)、『戦後総理36人の採点表』(ビジネス社)などがある。