「棚橋社長は感激している場合じゃない」蝶野正洋が語る新日本プロレス“1.4東京ドーム大会”舞台裏

「新日本プロレスはもっと危機感を持ったほうがいい」

メインでは棚橋選手の引退試合が行われた。オカダ・カズチカ選手との最後の闘いは白熱して盛り上がったけど、そのあとの引退セレモニーがとにかく長かったね(笑)。

ゴンドラに乗って会場をゆっくり回ったりしてたけど、あれを自分で企画し、社長という立場で自ら決裁してるのかと思うとさすがだよ。

セレモニーには柴田勝頼、内藤哲也、飯伏幸太、それにケニー・オメガやジェイ・ホワイトなど、棚橋選手としのぎを削ったライバルたちが顔を揃えた。それに武藤さんと藤波(辰爾)さんもリングに上がって、自撮りをしていた。

俺にも上がってくれという声があったんだけど、テレビ朝日側の解説者として呼ばれた身だから、その役割に徹した。

まぁ、あそこに立っていたレスラーは、棚橋選手を労うというより、自分が目立ちたいというのが本音だと思うけどね(笑)。引退試合の対戦相手を務めたオカダ・カズチカ選手にしたって、みんな新日本プロレスを蹴飛ばして出て行った人間なんだから。

棚橋社長は感激している場合じゃなく、本当はそこで「新日本プロレスのほうがすごいぞ!」と宣戦布告しても面白かったかもしれないね。

バックステージでは選手が入り乱れて挨拶したけど、スパイが紛れ込んで引き抜き交渉をしていたかもしれないし、他団体の選手やスタッフは、ドーム興行のノウハウを盗んでいたはず。新日本プロレスはもっと危機感を持ったほうがいいね。

とはいえ、今年の1.4は興行として大成功だし、流れが変わってきていることを感じさせた。波乱含みではあるけど、今年のプロレス界は今まで以上に盛り上がりそうだね。

「週刊実話」1月29日号より

蝶野正洋

1963年シアトル生まれ。84年に新日本プロレス入団。「nWo JAPAN」を率いるなど“黒のカリスマ”として活躍し、2010年に退団。現在はプロレス関係の他に、テレビやイベントに出演するタレント活動、「救急救命」「地域防災」などの啓発活動にも力を入れる。