日中対立、ベネズエラ情勢が追い風に 高市政権が狙う通常国会冒頭の「1月奇襲解散」と「勝利の方程式」

首相が早期解散に踏み切る裏事情

また、昨年は解散を否定し続けてきた高市政権にも早期の解散を望む理由があるという。語るのは、自民党の古参議員だ。

「理由は大きく分けて二つある。ひとつは昨年末に巻き起こった『核兵器保有発言』の幕引きだ。官邸幹部の『日本は核兵器を保有するべきだ』とのオフレコ発言が国内外で波紋を呼んだが、政権にはこれによってくすぶる反主流派からの“高市おろし”を早期に封じ込めたい思惑がある。
もうひとつは、高市氏が掲げる経済政策、通称『サナエノミクス』の進捗で、首相は就任以来、戦略的な財政出動による『国家の強靭化』を提唱。防衛、エネルギー、先端技術への巨額投資を柱に据えたデフレ脱却策を訴えているものの、与党は参院で過半数に届かず、薄氷の国会運営を強いられている。そのため、この状況を打破するために解散に踏み切る可能性が徐々に強まっているのです」

つまり、高市首相にも早期解散に踏み切りたい裏事情があるのだが、こうした状況を見据えた自民党内にはさらなる思惑も渦巻いているという。

「それが党内重鎮たちの画策する1月召集の通常国会冒頭解散です。女性初の首相に就任した高市氏をめぐってはいまだ激しい権力闘争が続いているが、麻生太郎副総裁は首相就任当初から『高市氏の突破力』を買っており、菅義偉氏も『選挙に勝てる顔』として昨年来、早期解散を容認している。
高市首相に関してもすでに選挙後の内閣改造と党役員人事に関する“密約”を条件に、この2人の支持を取り付けているとの憶測が絶えず、政治記者の中には3月解散とともにこの1月解散に依然神経をとがらせている者もいるほどなのです」(前出・政治部記者)

こうした水面下の動きに、石破茂氏や河野太郎氏らを中心とする非主流派は警戒感を強めているが、昨年来、中国との対立が激化していることで自民党内には「有事に立ち向かえる強靭な内閣」「単独過半数」を望む声も高まっているという。