デュプランティエ獲得の裏で「SB-巨人-阪神」仁義なき巴戦

NPBオフィシャルサイトより
12月17日からの阪神のリーグ優勝旅行に、渦中のデュプランティエ(31)が参加した。

チームメートとの再会を喜んでいたが、帯同していた報道陣の前に出て、ひと言。

「タイガースの選手としての参加は最後ですけど…」

2025年、15登板で6勝3敗、防御率1.39の好右腕の残留はなくなり、横浜DeNAとの契約合意はほぼ決定的となった。

「DeNAに行くとなると、来季の阪神戦登板は必至。せめて、交流戦でしか対戦しないパ・リーグに行ってくれというのが阪神側の本音ではないでしょうか」(スポーツ紙記者)

振り返れば、ソフトバンク移籍が濃厚と伝えられていた。阪神も残留交渉は続けていたが、今オフは外国人選手の“横滑り”が多い。

DeNAのジャクソンの千葉ロッテ移籍が決定。また、楽天もバウアー(34)獲得の交渉を進めているという。

中日の中継ぎ投手・ウォルターズもヤクルト入りが決まった。

この事象は非常に興味深い。

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“三つ巴”の争奪戦裏には...

「そもそも、ソフトバンクがデュプランティエ獲得に熱心だったのは、エースの有原航平を引き止めることができなかったためです。モイネロが国内FA権を取得し、来季から外国人選手枠を外れます。『外国人選手の一軍登録は5人まで』という規定にも影響が出ませんから」(同)

有原はメジャーリーグ再挑戦を目指して交渉中だが、米国内での評価は決して高くない。

代理人が「日本国内の球団とも交渉する」と予防線を張ったのはそのためで、「巨人も諦めていない」との声がもっぱらだ。

「有原が米球界との交渉に失敗した場合、帰ってくるとの保証があれば、ソフトバンクもデュプランティエとの交渉に躍起にはならなかったはず。巨人以外にも有原の動向を探っている国内球団もあり、元所属先の北海道日本ハムの名が挙がっています」(同)

いずれにせよ、デュプランティエの残留交渉の失敗は、連覇を目指す阪神にとって大きなマイナスだ。

阪神の弱体化はセ・リーグ5球団にはウェルカムであり、仮にソフトバンク入りしていたら、ソフトバンクは有原流出の穴埋めができ、巨人も有原獲得に全力を注ぐ流れになっただろう。今季2位のDeNAのデュプランティエ強奪にも、トラ弱体化の狙いがあったという。

優良助っ人の“三つ巴”の争奪戦裏には、各球団の思惑が秘められていたのだ。

「週刊実話」1月8・15日号より