なぜ「たくろう」は審査員の心を掴んだのか?令和の漫才を変えた“ズレの美学”を徹底解剖
2025.12.22
芸能
2025年12月21日。『M‐1グランプリ2025』決勝の舞台で、たくろうの漫才が始まった瞬間、会場には奇妙な空気が流れた。笑いが起きる「前」の時間が、いつもより明らかに長かったのだ。
観客も審査員も、次に何が起こるのか判断できず、反応を保留したまま赤木の様子を見守る。その数秒後、遅れて押し寄せた笑いが一気に広がった。たくろうの漫才は、冒頭から観る側の感覚を意図的に狂わせていた。
彼らの漫才が特異なのは、ネタの設定や構造以上に、「会話が成立していないように見える点」にある。
きむらバンドが自信満々に差し出す提案に対し、赤木は即座に否定も肯定もしない。戸惑いながら、言葉を探し、結論に辿り着く前に別の方向へ話を進めてしまう。そのやり取りは、従来の“ボケとツッコミの応酬”という枠組みから意図的に外れている。
漫才に詳しい芸能記者は、こう分析する。
「たくろうのネタには、分かりやすい“正解役”がいません。きむらバンドは話を整理しようとしないし、赤木も混乱を解消しない。二人は噛み合わないまま並走している。その状態そのものを笑いにしている点が、これまでの漫才と決定的に違います」
一見すると、赤木の言動はアドリブの連続のようにも映る。しかし実際には、言葉を詰まらせるタイミング、視線を外す秒数、声の震え方までが精密に設計されている。
赤木が言いよどむ数秒間、観客は「待たされる」。その待ち時間が長いほど、次に放たれる一言の破壊力は増す。笑いが生まれるポイントを増やすのではなく、一つのポイントを最大限まで膨らませる。その設計思想が、高度な技術として評価されたのだ。
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