糖尿病治療薬“マンジャロ”ダイエットは危険! 消化器系の症状の副作用が多発

画像はAIで生成したイメージ
日本で2型糖尿病の治療薬として使用される注射薬『GIP/GLP-1受容体作動薬』(商品名・マンジャロ)。同薬を肥満治療薬として使用することに疑問の声が上がっている。

問題になっているマンジャロは、米国の医薬品メーカーが開発した新薬。日本では2022年に2型糖尿病治療薬として承認されたが、本来の目的に加え体重減少効果でも注目を集める。

「マンジャロは’23年に国内で発売され、週1回の皮下注射で血糖値をコントロールします。体重減少は、その副次的効果ですが、メディアで取り上げられ話題となった。
血糖コントロール以外の目的使用は自由診療になりますが、オンライン診療やSNSなどでは“痩せる薬”として紹介されてもいるんです。肥満で悩んでいる人は飛びつきたくなりますよ」(ネットニュース関係者)

ところが、マンジャロを適用外の肥満やダイエットに使用した場合、吐き気、嘔吐、下痢、便秘といった消化器系の症状の副作用が報告されている。

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自由診療扱いで1カ月当たり3~5万円と高額

「重篤な副作用は急性膵炎、腸閉塞、胆嚢炎、胆石症などです。胃の動きが遅くなるため、抗生物質など吸収のタイミングが重要な他の経口薬の効果を弱めてしまう薬物相互作用があるうえ、痩せ過ぎで健康を害するリスクも負います。
薬で食欲を無理やり抑えているだけなので、薬をやめれば、食欲は元に戻り、以前より体重が増える人もいますよ」(東京都江戸川区の内科クリニック院長)

医療ジャーナリストが、こう警鐘を鳴らす。

「肥満者が糖尿病治療薬に頼るのは、日本では肥満単独では保険適用にならず、糖尿病などの合併症が条件となるからです。日本では肥満薬の開発が遅れている。
ダイエット目的の使用は自由診療扱いで、1カ月当たり3~5万円と高額。オンライン診療やSNS経由の購入は法律に抵触する可能性が高く、極めて危険です」

年末年始は酒を口にする機会が増え、暴飲暴食に陥りがち。肥満を気にする人は目的外の治療薬などに頼るのではなく、日ごろから“軽飲軽食”を心掛ける方が賢明だ。

「週刊実話」1月1日号より