暑い日の「ペットボトル症候群」に要注意! 意識障害や昏睡を引き起こす場合も

AIで生成したイメージ
今年は10年に1度の暑さに見舞われるとの予想もあるが、これから注意しなければならないのが熱中症対策だ。

しかし、水分の飲み過ぎによって健康リスクを伴う「ペットボトル症候群」が危惧されている。

ペットボトル症候群の正式名称は「清涼飲料水・ケトアシドーシス」と呼ばれ、急激な血糖値の上昇で引き起こす急性の糖尿病合併症だ。

主な原因は甘い飲み物の多量摂取。この症候群は特に10代から30代の若年層に多く見られ、肥満傾向にある人にリスクが高いといわれている。

「炭酸飲料やジュース、スポーツドリンク、甘い缶コーヒーなどには非常に多くのブドウ糖や砂糖が含まれている。体内に吸収されやすいため、血糖値が急上昇して高血糖状態をきたすのです」(東京都江戸川区の内科クリニック院長)

この状態が続けば、血糖値を下げる作用があるインスリンの分泌を抑えてしまうのだ。

「その結果、さらなる高血糖の『糖毒性』という状態に陥る。重度の場合は意識障害や昏睡を引き起こす。糖尿病の重大な急性合併症になるんです」(同)

トイレの後に水を飲む習慣を

WHO(世界保健機関)は糖分接種の目安として、1日の総カロリーの5%未満(成人で約25グラム)を推奨している。

「清涼飲料水の500mlのペットボトル1本には50グラムの糖分が含まれています。これはスティックシュガー約16本分に相当する。ペットボトル1本だけでWHOの推奨量の2倍を超えているんです」(栄養管理士)

熱中症対策として飲まれることが多いスポーツドリンクや経口補水液についても、糖分や塩分の過剰摂取に繋がる恐れがあるから注意が必要だ。

熱中症対策の正しい水分補給について、医療ジャーナリストが語る。

「喉が渇いたと感じたときにはすでに脱水状態が近づいているので、時間を決めての小まめな水分補給、トイレの後はひと口水を飲む習慣をつける、利尿作用のあるコーヒーやアルコールは避ける。基本的に水や麦茶をお勧めします」

“飲む量”は時間を決め、ほどほどを心掛けたい。

「週刊実話」6月12日号より

【関連】“医療現場の闇”男性医療従事者による女性患者への胸クソわいせつ事件4例 ほか