ランサムウェア巧妙化の闇 被害件数が過去最多に

被害報告件数は過去最多に

アスクル傘下の会社が配送業務を請け負っていた良品計画(無印商品)やロフトの通販サイトも停止に追い込まれた。

ロシア系とみられるハッカーグループの「ランサムハウス」がダークウェブ上に犯行声明を発出。1.1テラバイトのデータを盗み出したとしており、サンプルとして一部画像を公開、顧客情報も流出したという。

ランサムウェアによるサイバー攻撃は、標的のパソコンやサーバーに侵入し、データを暗号化して使用できないようにし、解除と引き換えに金銭を要求するという手口だ。

顧客情報などの機密情報も盗み出し、「対価を支払わなければデータを公開する」とした脅迫もする。生成AIの登場により、侵入手口が巧妙化しているといわれている。

昨年3月にはレンズ大手『HOYA』がランサムウェアによるサイバー攻撃を受けて出荷が滞り損害が出た。

また出版大手『KADOKAWA』は昨年6月、ランサムウェアによるサイバー攻撃により書籍の出荷が停滞したほか、子会社のドワンゴが運営する動画配信サービス『ニコニコ動画』が約2カ月間停止し、24億円の特別損失を計上している。

近年、企業はシステムの統合を進めていることから、いったんサイバー攻撃を受けると、被害が大きくなる傾向にある。