「鰊」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識【難読漢字よもやま話】


異名は「春告げ魚」

正解は「にしん」です。

【鰊の語源と漢字の由来】

「鰊(にしん)」は、ニシン目ニシン科に属する回遊魚で、春先に産卵のため海岸に大群で押し寄せることから、「春告げ魚(はるつげうお)」とも呼ばれます。

漢字の「鰊」は、「魚へん」に「二(に)」と「八(はち)」が組み合わさった会意文字です。これは、ニシンが大群で押し寄せる様子、あるいは一度に大量に獲れる様を表現するために作られた、日本で作られた漢字(国字)ではないかとされています。

また「にしん」の語源は、「二親(にしん)」に由来するという説が有力です。ニシンの魚体が、二尾が一組で獲れることが多かった、あるいは、夫婦の魚として扱われたことに由来するとされます。また、「二進(にしん)」、つまり「次から次へと進んでくる魚」の意味という説もあります。

【海の恵み! 鰊のトリビア】

●「春告げ魚」
ニシンは、春先の産卵期に北海道などの沿岸に大群で押し寄せるため、「春を告げる魚」として古くから漁師たちに歓迎されてきました。

●「数の子」の親
ニシンの卵巣を加工したものが、正月料理の縁起物である「数の子」です。このことから、ニシンは子孫繁栄を象徴する魚としても知られています。

●鰊御殿の歴史
明治時代、北海道ではニシン漁が空前の大漁となり、莫大な富をもたらしました。その富を背景に建てられた巨大な邸宅が「鰊御殿(にしんごてん)」です。

●ニシン漬け
身欠きニシンと野菜(大根、キャベツなど)を米麹と塩で漬け込んだ「ニシン漬け」は、北海道や東北地方の郷土料理として知られています。

●ニシンそば
「身欠きニシン」を甘辛く煮付けて、そばの上にのせた「ニシンそば」は、京都の老舗が発祥とされる、西日本でも親しまれている料理です。