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仏産『ボルヴィック』販売終了の裏事情~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

ニッポンを支える「隙間ビジネス」
ニッポンを支える「隙間ビジネス」(C)週刊実話Web

フランス産のナチュラル・ミネラルウォーター『ボルヴィック』(輸入・発売キリンビバレッジ)が、昨年末に出荷終了となった。

ボルヴィックの工場が水をくみすぎたため、周辺の川が干上がり、農業ができなくなるなど問題が噴出したことが理由。地下水を枯らしてしまったのだ。

「日本も他人事ではありません。ミネラルウォーターの総生産量に占める割合は、山梨県がトップで40.4%、静岡県が14.6%、鳥取県が9.2%と続きますが、どこも飲料メーカーとのトラブルが過去、現在と起きています」(資源ジャーナリスト)

もちろん、地下水を利用しているのは飲料メーカーだけではない。

いったん枯渇したら復活に時間がかかる

「地下水は地球表面にある水の100倍もあるとはいえ、たまるのを上回る早さでくみ上げたら空になり、枯渇、塩害、地盤沈下、砂漠化などを引き起こします」(同・ジャーナリスト)

地下水は石油と違って、使いきったら即終了とはならない。自然に循環するものだから、蓄えられる以上に使わなければいい。地下水は上流の森林や水田、湿地の保全によっても涵養(かんよう:自然にしみこむように養成すること。無理のないようだんだんに養い作ること)できる。

しかし、いったん枯渇した場合、復活に時間がかかることを日本国民は肝に銘じるべきだ。

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