連れ去りから48年! 横田めぐみさんだけではない北朝鮮が闇に葬った日本人女性の“拉致リスト”

警察庁が拉致を示唆する871人の行方不明者

日本政府が認定する拉致被害者は17人。北朝鮮が公式に拉致を認めた2002年秋、うち5人が祖国の土を踏んだが以来23年、誰ひとり帰国を果たしていない。

さらに17人の外周には「特定失踪者」という名の、即断できる証拠がないため拉致と認定されていない多くの行方不明者がいる。

現在、警察庁が「可能性を排除できない」と認めるのは871人。特定失踪者問題調査会が作成したリストによると、拉致の疑いのある失踪は敗戦直後から21世紀に入っても続いている。その数は1960年代に急増、70~80年代は特に多い。

行方不明者の中には女性も少なくない。本稿では拉致被害者・特定失踪者の中で女性に焦点を当て、彼女たちの運命を弄んだ北朝鮮の国家犯罪に迫る。

2002年に帰国した拉致被害者5人の証言によれば、北朝鮮で横田めぐみさんは1978年8月から’79年10月に曽我ひとみさん、’83年秋からは田口八重子さんと「招待所」と呼ばれる隔離施設で一時、共同生活を送ったほか、精神を病み入院したとされる’94年3月まで蓮池さん夫妻、地村保志さん夫妻と断続的に同じ地域に暮らし家族ぐるみの付き合いがあった。

また’86年に同じく韓国で拉致された金英男氏と結婚、翌年には一人娘のウンギョンさんが誕生している。

結婚・出産を経てめぐみさんの精神状態は一時、安定した時期もあったというがその後も厳しい状況にあり、蓮池さん夫妻や地村さん夫妻に「日本へ帰りたい」と訴える回数が増えていったという。

そして’94年3月、入院。翌4月に自ら命を絶ったと北朝鮮側は発表(当初の「‘93年死亡」をその後訂正)したが、同国北部・義州の精神病院に向かったはずだとする帰国者の証言と、平壌の病院で自死したという北朝鮮側の主張は食い違う。

また、2004年に遺骨として示した骨がめぐみさんのものでなかった事実は、ご記憶の通りだ。