身長外来のパイオニア“身長先生”が徹底解説! 身長を最大限に伸ばす正しいアプローチ法

『1万5000人のデータに基づいたすごい身長の伸ばし方』KADOKAWA 1,500円(本体価格)
『1万5000人のデータに基づいたすごい身長の伸ばし方』著者:田邊雄(たなべ・ゆう)
東京神田整形外科クリニック院長。身長を伸ばす専門医。愛称は「身長先生」。金沢医科大学医学部を卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院整形外科へ入局。西新宿整形外科・院長職を経て、2020年に東京神田整形外科クリニックを開業。

身長を伸ばすのに重要な栄養素

──「身長」は遺伝に左右されるのでしょうか?
田邊「多くの方が“身長は遺伝で決まる”と思い込んでいますが、それは半分正解で半分誤解です。確かに遺伝的な骨格の限界はありますが、『環境因子』が成長を大きく左右します。
骨端線という“成長の司令塔”は、ホルモン・栄養・睡眠・運動によって活性が変わります。つまり、遺伝だけでなく、正しいアプローチで身長のポテンシャルを最大限に引き出すことは可能なのです」

──どのような「食事」を摂ったらいいのでしょうか?
田邊「骨を伸ばすには『カルシウム』が大事! と思う方も多いと思います。もちろんその通りなのですが、実は『たんぱく質』がとても重要なのです。
骨は約50%がコラーゲンたんぱくで構成されており、身長の高い国(オランダやアメリカ)は、身長の低い国(カンボジアやタイ)と比べると2倍もタンパク質を摂取しているというデータもあります。
次に『ビタミンD』『亜鉛』『鉄』なども重要になります。ジャンクフード中心の食生活は、成長ホルモンの分泌を阻害しますのでご注意ください」

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スマホの長時間使用に警告

──「睡眠」と「運動」も重要だそうですね。
田邊「身長は成長ホルモンによって伸びますが、その約7割は『深い睡眠中』に分泌されます。お子様には『9時間は寝ましょう!』とアドバイスしています。スマホや夜更かしで睡眠が取れないと、どんなに栄養を摂っても伸びにくくなります。
また運動も重要で、体を動かすことによって成長ホルモンが分泌されることが知られています。運動(バスケやバレー、サッカーなどの全身運動が特にお勧めです)を活発に行い、成長ホルモンを分泌させて身長を伸ばしていきましょう。
私のクリニックでは、食事・睡眠・運動を一体化した形で「身長先生式」として治療に取り入れています」

──子供や孫へはどのようにアドバイスしたらいいでしょうか?
田邊「子供の身長を伸ばすために重要なのは、『遺伝の上限をどう引き出すか』という視点です。そのためには、(1)栄養、(2)睡眠、(3)運動の3要素を、科学的に整える環境づくりが鍵になります。
大人ができる最善のサポートは、正しい情報を知り、生活リズムを“成長設計”に沿って整えることです。現代の身長医学は、遺伝を前提にしながらも『伸ばせる要素』を明確に定義できる段階に入っています。
詳しくはぜひYouTubeで『身長先生』と検索してみてください」

聞き手/程原ケン

「週刊実話」12月4・11日号より