コロナ禍さえも追い風に空前の唐揚げブームが続く中、巣ごもりの長期化でさらなる需要拡大が見込まれている。
「一般家庭でも弁当のおかずの定番でしたが、このご時世で主婦の料理疲れもあり、値段が安くてテイクアウトできる唐揚げが見直されたのでしょう。2019年に853億円だった唐揚げ市場は、20年には1053億円まで拡大しています」(フードライター)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年4月の既存売上高が、前年同月比58.2%減だった「すかいらーくグループ」だが、ガストの中に併設した唐揚げ専門店『から好し』だけは、テイクアウトの売り上げで前年並みを維持したという。
「居酒屋チェーンの『ワタミ』は、コロナ禍でテイクアウトが伸びると判断。東京・築地で実家が玉子焼き専門店を営むテリー伊藤とタイアップし、唐揚げと玉子焼きの専門店『から揚げの天才』を18年にオープンしました。すでに全国90店舗以上を展開し、年内に200店舗体制を目指すと宣言しています」(食品店舗アドバイザー)
わずか5坪程度で開業可能
ワタミだけではない。出店コストが低いことから、異業種参入による新規の唐揚げ専門店が続々とオープンしている。
一昨年、中高生の女子を中心に起こったタピオカブームで、全国に3000店以上の専門店がオープンしたが、ブームが去った現在、タピオカ店から唐揚げ店に鞍替えするケースが続出している。
「テイクアウト専門の唐揚げ店は、タピオカ店と同じように調理場を含めて5坪程度で開業できる。業務用フライヤーがあれば、素人でも調理ができます」(前出・フードライター)
コロナ禍の長期化で、唐揚げ店の快進撃はまだ続きそうだ。
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