【難読漢字よもやま話】「竈」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


古くは「かまどに神様が宿る」と言われていた

●遠赤外線効果でご飯が絶品!
かまどで炊いたご飯が美味しいとされるのは、強い火力に加え、土や石が発する遠赤外線効果によるものです。この遠赤外線が米粒の芯までじっくり熱を伝え、ふっくらと甘みのあるご飯に炊き上げます。

●灰は貴重な資源だった
かまどで薪を燃やした後に残る灰は、ただのゴミではありませんでした。畑の肥料、洗浄剤(灰汁)、陶器の釉薬の原料、さらには止血剤としても利用されるなど、貴重な資源でした。

●煙突は「防虫・防腐剤」の役割も
煙突が普及する以前は、かまどの煙を直接屋根裏に排出する構造の家が多くありました。これは、屋根裏の木材を燻すことで、防虫・防腐効果を高め、家屋の寿命を延ばすという副次的な役割も果たしていました。

●「かまどを分ける」という慣用句
「かまどを分ける」という言葉は、「一家が独立して生計を立てる」という意味の慣用句です。かつては大家族が同じかまどを使って共同生活をしていたことから、個別の生活を始めることをこう表現しました。