【難読漢字よもやま話】「竈」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「かまど」

【漢字の由来と語源】
「竈(かまど)」の語源については、いくつかの説があります。その中でも有力と見られているのは次の3つです。

●「火間処(ひまど)」説
火を扱う場所を意味する「火間処(ひまど)」が変化したという説。

●「釜処(かまど)」説
釜を置く場所を意味する「釜処(かまど)」が語源であるという説。

●「構え処(かまえど)」説
火を囲む構えのある場所を意味する「構え処(かまえど)」が変化したという説。

これらの説の中で、どれが最も有力であるかは定まっていませんが、いずれも火を扱う場所、煮炊きをする場所という意味合いが含まれています。

また、漢字については「竈」を構成している上部の「穴」は、かまどが地面に掘られたり、壁に設けられたりする構造を表しており、下部の「黽(ベン)」は、かまどから立ち上る煙の様子を表しているとも言われています。

つまり、「竈」という漢字は構造と機能を組み合わせて表現しており、古代の人々が生活の中で重要視していたかまどの存在を反映しています。

【かまどに関する豆知識】
●かまどの神様
日本にはかまどに宿る神様がおり、「荒神(こうじん)」や「竈神(かまどがみ)」と呼ばれています。火の神様として、家庭の安全や繁栄を守るとされています。

●縄文時代から存在!
日本においては、縄文時代後期にはすでに地面に穴を掘って石を並べた原始的な「炉」が使われ始め、弥生時代には朝鮮半島からより洗練された土製のかまどの技術が伝わったとされています。

●複数の穴の賢い使い方
昔のかまどには、複数の調理口(穴)があるものが多く見られました。これは、火力の強い穴でご飯を炊き、火力の弱い穴で煮物や汁物を調理するなど、一つの火で複数の料理を同時に、効率的に作るための工夫でした。火から遠い穴は保温にも使われました。