金正恩がAPECの裏で仕掛ける「米朝電撃トップ会談」の裏工作 韓国政府も警戒中

米朝対話再開に向けた人的布陣

北朝鮮側の“旧トリオ”は、まず正恩氏の実妹・金与正党副部長と崔善姫外相だ。2人は2018年6月から19年6月にかけて行われた米朝首脳会談を主導している。当時の北朝鮮政府では3人のキーパーソンのうちの2人だ。

3人目は当時、正恩氏の親書をトランプ氏のもとへ運び、CIA(中央情報局)本部で副長官と差しで会談した唯一の北朝鮮政府高官となったものの、米朝会談の失敗の責任を問われ、失権した金英哲氏である。

間もなく80歳となる英哲氏は、今年9月20日と21日の最高人民会議で、他の最高位高官らと共に壇上に姿を見せ、正恩氏の側近として復権したとみられる。

米国側も米朝対話再開へ向けた人的な仕掛けとして、国務省(外務省)で実務ナンバー3の地位となる政務次官に、第1次トランプ政権でNSC(国家安全保障会議)アジア上級部長などを務めたアリソン・フッカー女史を再度呼び戻して起用した。

フッカー(釣り師)とは意味深長な名である。さらに、フッカー氏の政務次官就任と同時に、第1次トランプ政権で彼女とコンビを組んでいたケビン・キム氏も国務次官補代理に就き、これにNSC副補佐官のアレックス・ウォン氏を加えた“米側トリオ”が再結成されたのである。

風雲急を告げる極東情勢。トランプ大統領と金正恩総書記はどう動くか。そのとき、高市早苗首相は“右向け右”でいけるか。

「週刊実話」11月13日号より