金正恩がAPECの裏で仕掛ける「米朝電撃トップ会談」の裏工作 韓国政府も警戒中

南北境界エリアで会談か!?

もう一つ、北朝鮮が自信を持った外交がある。9月3日、中国・北京で行われた『対日戦勝記念日』だ。中露朝3首脳が並んだ写真が世界に配信され、これで北朝鮮が中国とロシア2カ国と対等の地位に立ち“悪の枢軸”の仲間入りをしたことを強く印象付けたのだ。

「対日戦勝記念日の軍事パレード後に行われた中朝首脳会談では、中国は北朝鮮に対して『非核化』発言を封印しました。中国はこれまで繰り返し北朝鮮の非核化を促してきましたが、それが一転して『核クラブ入り』を認めた形です。正恩氏の訪中はその意味で大成功でした」(同)

結果、朝鮮半島の核問題は「非核化」から「核抑止」に転換してしまった。その意味でアジア地域は核の密集地帯となり、日韓は核の包囲網の中の“獲物”として扱われることになった。

さて、米朝会談が年内に行われるか否か、米国内に懐疑的な意見もある。トランプ氏の“天敵”である米CNNは18日、トランプ氏の訪韓に先立ち韓国を訪れたホワイトハウスの警護チームが、会談の候補地とみられる韓国と北朝鮮の軍事境界線がある板門店には立ち寄らなかったと報じたのだ。

その一方で、「板門店周辺で、正恩氏とトランプ氏の会合を匂わせる動きも出てきています。同地域で行われてきた共同警備区域への見学ツアーが、APEC開催期間と重なる10月末から11月初旬まで中断されることが確認されたのです。この中断は、米朝会談の可能性に備えた措置という見方が強い。しかも、中断を要請したのが管轄する在韓国連軍司令部によってだからなおさらです」(外交関係者)

会談の可能性を示す米朝それぞれの動きも顕著になっている。双方で過去の交渉チームが再結集しつつあるのだ。