坂道グループが世代交代に揺れる今、“全員選抜”“ハッピーオーラ”で伸びるカワラボ界隈

アイドルファン以外の母数を獲得するには

絶対数での優位を保つ乃木坂46や坂道グループが抱える問題は、低下する勢いではなく「維持コスト」の高さ。世代交代の舵取りを誤れば、短期的な話題性やファンの熱を失うリスクがある。

逆に、FRUITS ZIPPERらカワラボ界隈は、小回りの利く運営と明確なブランドで短期間に注目を集めることができる。

今後、坂道グループ側が取るべき戦略は明瞭。単に選抜人数や握手会に頼る旧モデルを温存するのではなく、メンバー1人ひとりの魅力を掘り下げるコンテンツ、配信やライブでの体験価値向上、そしてソーシャルメディア時代に合わせた拡散の仕掛けを強化すること。

つまり「規模(数)」と「濃度(熱量)」の両取りを目指すアップデートが急務である。逆に言えば、それができなければ“注目の分配”は徐々に変わっていくだろう。

アイドル市場は常に新鮮さを求める。カワラボの快走は、坂道グループにとって警鐘であり、同時に学ぶべきモデルを示している。

王者が強さを保つか、新興が勢力図を書き換えるかは、秋以降のリリースと選抜人事、各グループの戦略が、局面を決めることになりそうだ。