【難読漢字よもやま話】「喧しい」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「やかましい」

【漢字の由来と語源】
「喧しい(やかましい)」の語源についてはいくつかの説がありますが、最も有力とされているのは「やか」と「あまし」が組み合わさった複合語という説です。

「やか」は、鳴き声や音のうるささ、騒がしさを表す語です。例えば、「鳥がやかましく鳴く」のように使われることがあります。これに対して「あまし」は、「余る」や「余りに」に通じる言葉で、「度が過ぎる」「ひどい」「甚だしい」といった意味を持ちます。

この二つが合わさることで、「度が過ぎてうるさい」「ひどく騒がしい」「煩わしい」などという意味を表すようになったと考えられています。

漢字の由来は、「喧」という字が言葉や音を表す「口」と「広く行き渡る」「告げる」という意味を持つ「宣(セン)」の組み合わせでできていることで、「多くの人が口々に声を出し、その声が広く行き渡る、つまり騒がしい、うるさい」という意味を表すようになったといわれます。そのため、この字が当てられたと考えられています。


【喧しいに関するトリビア】
●二つの主要な意味
「喧しい」には、単に「音や声が大きくてうるさい」という意味だけでなく、「あれこれと小言が多くて煩わしい」「口うるさい」という人の言動に対する批判的な意味合いもあります。

●騒音公害と健康被害
長期的に80デシベル以上の騒音にさらされると、聴力低下やストレスが増大する可能性があります。WHOによると、毎年数百万人が騒音による睡眠障害に陥っているそうです。

●平安時代にも騒音問題が!?
平安時代の貴族たちは、現代のような交通騒音に悩まされることはありませんでしたが、蝉しぐれや蛙の鳴き声、あるいは家臣たちの話し声などが「喧しい」と記録されていました。現代とは「喧しさ」の対象が異なっていたと考えられます。

ちなみに、セミの鳴き声は種類によっては100デシベルを超えることがあり、これは地下鉄の車内やカラオケルームの音量に匹敵する、非常に「喧しい」レベルです。