千葉ロッテ暗黒時代再来か 功労者大量退団の末に“昭和回帰”で不穏な未来

千葉ロッテマリーンズ公式サイトより
最下位転落で監督交代、ファンから批判されるほど大量退団&戦力外―。千葉ロッテマリーンズが不穏な空気に包まれている。

5位の西武に7ゲーム差をつけられ最下位に沈んだ今季、吉井理人監督は事実上の解任に。現役時代“チームの顔”と言えるほど人気選手だったサブローが新監督に就任した。

しかし、荻野貴司、石川歩の生え抜き人気選手が退団。澤村拓一、国吉佑樹といった移籍組の戦力選手の退団&戦力外も発表され、ロッテファンが荒れている。

「今季限りでの退団や戦力外通告は例年よりも多く、チーム再建に向けて“血の入れ替え”をしようとしているのが分かる。
チームの世代交代のためにも必要な作業ではあるが、これでは粛清に近い印象です」(スポーツ紙パ・リーグ担当記者)

さらに火に油を注ぐのが、現役時代は“Mr.マリーンズ”であったサブロー新監督への疑問だ。

サブロー新監督は就任会見で「昭和の野球」を宣言。前時代的な根性論を是とする姿勢を打ち出し、ファンから「時代に逆行している」「若手が萎縮する」と批判を浴びているのだ。

一方で、メジャー経験のある吉井前監督は先進的な指導者。「野球は心理のスポーツ」と公言し、チームカウンセラーを積極的に活用していた。

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毎年90敗以上の暗黒ベイスターズと同じ道?

しかし、サブロー政権では心理部門の廃止が決まり、吉井前監督は退任が決定した10月7日に自身のブログで《書きたいことは尽きないのですが、このあたりでやめておきます》とチクリ。

現代野球ではメンタルコーチや心理分析の重要性が高まっているだけに、廃止決定は「時代に逆行している」と批判されている。大量粛清に強権的な指導者の誕生と、未来が不安視されているロッテ。これでは再建どころか、“暗黒時代”の入口だとも…。

「今のロッテは2008年頃の横浜ベイスターズに似ている気がします。
当時のベイスターズは圧倒的な弱さで最下位に沈み、監督を交代した上、1998年日本一功労者の石井琢朗、鈴木尚典を戦力外に。
世代交代を掲げ、その後も佐伯貴弘らV戦士を次々と切りましたが、チームは毎年100敗近い惨状を続けていました。
結局、再建が本格化したのは親会社がDeNAに変わり、体質が一新されてから。『横浜ベイスターズ』としては最後まで暗黒のままでした」(同)

ましてや、ロッテは親会社の入れ替わりによる大胆な改革も期待できない。

1980年代~2000年代前半、ロッテは毎年のように最下位争いを続ける“万年Bクラス”の代名詞とされたが、再びこの時代に足を突っ込むかもしれない。

強風で知られる本拠地・ZOZOマリンに冷たく吹きすさぶ秋風。だが、これはもう一度訪れようとしている“冬の時代”の始まりに過ぎないのだろうか。

サブロー新監督の手腕に注目が集まっている。