市毛良枝44年ぶり映画主演『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』でJO1・豆原一成と共演

(C)2025 「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」
【やくみつるのシネマ 小言主義 第286回】『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』
大学生の安藤拓磨(豆原一成)は、夫に先立たれて気落ちする祖母・文子(市毛良枝)を心配し同居することに。ある日、拓磨は亡き祖父・偉志の書斎で大学の入学案内を見つける。それは偉志が遺した文子へのサプライズだった。
その遺志を受け入れ、大学への進学を決意した文子は、若い頃の夢だった「学び」の日々を謳歌する。その一方で、拓磨は夢に自信が持てず迷いを抱える中、偉志が遺した手帳に不思議な数式を見つけて…。

個人的な思いもあり星2つ

W主演の1人、市毛良枝さん。44年ぶりの映画主演だそうです。少しお年を召したかもしれませんが、可愛いおばあちゃんでいらっしゃる。

もう30年くらい前になりますが、市毛さんと2人でCMに出たことがあります。私が「市毛さんとお見合いする」という設定でした。

撮影の後、クライアントと出演者との食事会があったんですが、クライアントはすぐに帰ってしまって、市毛さんとマネージャーさんと自分だけが残されてしまった。

「本当にお見合いみたい。何なんでしょうね」と笑い合った記憶があります。そんなわけで、いまだにTVなどでお見かけするたびに、つい「母さん」と呼んでしまいます。そんな個人的な思い出もあり、「星2つ」評価としました。

主人公の琢磨役の豆原一成のことはよく知らなかったんですが、東京ドーム公演を成功させるような人気ボーイズグループのトップアーティストのようです。

本作では、優しいけれど弱気で、将来に悩んでいる大学生を演じています。市毛さん演じる祖母が社会人大学に入って若い頃の「学び」の夢を取り戻していく姿に刺激されて、琢磨も自分の「好き」を極めていくストーリーです。

自分はこういう静かな映画も好みなのですが、あまりにも話に起伏がないので、主人公として難しい役どころに挑戦していると感じました。

ともあれ、自分が注目したのは、琢磨のコーヒーへのこだわり。彼が一杯分ずつ豆を挽き、丁寧にドリップで淹れる。その流れるような所作に見入ってしまいました。

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