三谷幸喜のドラマ『もしがく』は、なぜ大失敗したのか?

三谷幸喜 (C)週刊実話Web
三谷幸喜脚本のドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(フジテレビ系)の放送が10月1日から始まったが、早くも大荒れを予感させている。

菅田将暉が主演を務め、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波が共演。三谷が25年ぶりに民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマの脚本を務めることもあり、大きな期待を寄せられていた。

しかし、第1話の平均視聴率は世帯5.4%、個人3.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下)とイマイチ。TVerでの再生数は200万回を突破したと発表されたが、視聴者の評判は良くない。

「三谷作品ということで期待値を上げすぎて、ガッカリした視聴者が多いのでしょう。三谷さんといえば、これまで『古畑任三郎』シリーズや『王様のレストラン』など、フジテレビで名作ドラマを生み出してきた。
最近でも、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が好評で『もしがく』への期待も高まっていた。ただ、初回は30分拡大放送した割に、とりとめのないストーリーとなり、酷評を受けています」(ドラマライター)

初回放送で評価を得られなかった『もしがく』だが、具体的にどこが悪かったのだろうか。

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通常ドラマの倍以上かけて制作されたが…

1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷が過ごした思い出を題材にしたオリジナルストーリー。主人公は劇団演出家の久部三成(菅田)で、蜷川幸雄に憧れる演出家の卵という設定だ。

フジテレビは、当時の渋谷を再現した大掛かりなセットを作り、三谷の描く世界観を撮影するため予算を費やしてドラマを制作。主演クラスの4人をメインキャストにそろえていることもあり、通常のドラマの倍近い予算で制作されているという。

それだけ豪勢なドラマを制作しているのだが、第1話を見る限りでは全てが空回りしているように見える。

「4人も主役級がそろったので、第1話はそれぞれを紹介するため、強引なストーリー構成だった。結果、何を描きたいのかわからず、脱落する視聴者が多く出たのでしょう。
三谷さんはセンスの良いセリフで喜劇を作るのがうまいのですが、『もしがく』では空回りしている。
舞台となる1984年の東京を知っている人なら笑える場面も多いのですが、視聴者がみな当時の東京や渋谷を知っているわけではありません。このままいくと、視聴率もどんどん下がり大コケする可能性大です」(同)

とはいえ、まだ第1話が放送されただけ。ここからの大逆転に期待したいところだ。