フジテレビの未来が懸かる菅田将暉×三谷幸喜『もしがく』の勝算

菅田将暉 (C)週刊実話Web
フジテレビが社運を懸けて挑むのが、10月1日よる10時スタートの新ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』だ。

脚本を手掛けるのは三谷幸喜氏(64)。25年ぶりに同局GP帯の連続ドラマを担当ということもあり、業界内外から大きな注目が集まっている。

背景には、現在のフジテレビを取り巻く厳しい環境がある。かつて月9を中心に数多くのヒット作を生み出した同局だが、ここ数年は看板番組不在の状態が続いてきた。

さらに中居正広氏のスキャンダルを機に大手スポンサーが離れ、番組編成は迷走。視聴者の若年層、特にZ世代をどのように取り戻すかが課題となっていた。

その切り札として白羽の矢を立てたのが三谷氏だった。2022年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の成功直後から粘り強くオファーを続け、ようやく承諾を得たという。

「三谷氏を口説く条件は破格だった。セットや美術に制作費を惜しまない。キャスティングには三谷氏の希望を最大限反映する。そして脚本には口を出さないこと」(ドラマ関係者)

実際、制作費は1話あたり約6000万円。千葉県に広大な敷地を確保し、1984年のバブル前夜の熱気を映像に落とし込んだ、東京・渋谷の街並みを丸ごと再現した。

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絶対に失敗できない『もしがく』

主演は菅田将暉。脇を固めるのは二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、小池栄子、さらには、異色のアンミカまで揃った。

しかし、フジテレビの上層部は一抹の不安を抱えているのも事実。もしもドラマが期待を裏切る結果となれば、大赤字は避けられないからだ。

「実は、今回の契約にはドラマの視聴率に関わらず、映画版を製作することが盛り込まれているそうなんです。
もし失敗すれば、まさに地獄。さらに巨額の予算を投入したため、今後の他ドラマ制作費は1話あたり3000万円以下になることは確実。話数も削減されるでしょう」(同)

つまり、フジテレビのドラマ部門の未来そのものが、今作に懸かっているといっても過言ではないのだ。

さる編成幹部は、辞表を胸にしまい込み、「三谷さんにすべてを懸けるしかない」と漏らしているという。

「フジは秋のドラマ編成で、三谷氏でZ世代を取りにいく。一方、シニア層の獲得には沢口靖子を主役に起用した月9『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』で勝負する。この二正面作戦で戦います」(芸能プロ幹部) 

とはいえ、遅筆家で知られる三谷氏は、いつも通りのマイペースだという。

「三谷氏は、時間が許す限り収録現場に立ち会っていますが、早く台本を上げてほしいというのがスタッフの本音です」(同)

神様、仏様、三谷様~!

「週刊実話」10月16日号より