金正恩父娘「訪中記録映画」公開で北朝鮮全土に“失望感”が拡散か

母の出自が“最大のアキレス腱”

ほとんどの北朝鮮国民は、彼女の日本名『高田姫』ばかりか、本名の高容姫すら知らない。

しかも、父親の高京澤は韓国・済州島から一旗揚げようと自らの意思で日本に渡り、第2次世界大戦終結の直前に大阪で日本軍に協力する軍需工場を営んでいたことまで隠蔽されている。

そして、これらの事実は、脱北者によって韓国から北朝鮮に向けて飛ばされる宣伝ビラに書かれている。だから高容姫の娘である金与正朝鮮労働党副部長は、韓国政府に対しヒステリックに中止を求めたのだ。

「正日氏が高容姫と結婚に至ったのは’75年前後のことだが、2人は最後まで公式な婚姻関係になかった。
つまり、北朝鮮の最高指導者である正恩氏と与正氏の兄妹は愛人の子であり、“枝”にすぎない。だから“幹”である長兄・金正男氏を暗殺(’17年)しなければならなかったのです」(同)

米ワシントン・ポスト紙は’16年5月、高容姫の妹で正恩氏の叔母にあたる高英淑氏の証言を掲載している。高英淑氏は’98年、米国に亡命している。

「彼女の証言によると、’92年に迎えた8歳の誕生日には、最高位の幹部でさえ正恩氏を見るたびに頭を下げ敬意を表していた。すでに正恩氏は崇拝の対象となっていた。
さらに、『周りの人々がそのように扱っているため、その少年が普通の子供として成長することは不可能だった』とも述べています。
高容姫は、息子の正恩氏を『生き神』に仕立て上げなければ、いつ排除されるか分からない恐怖と闘っていた。正恩氏がジュエ氏後継を急ぐのは、実母の出自がバレる怯えがあるのかもしれません」(前出・北朝鮮ウォッチャー)

権力闘争の犠牲となった北朝鮮国民は不幸だ。

「週刊実話」10月23・30日号より