『あっぱれさんま』の“かなちゃん”が明かすホームレス生活 明石家さんまの言葉に救われた過去

「自分はプライドの塊で生きてきたんだな」

中武佳奈子(C)週刊実話Web
――ホームレスになった直接のきっかけは?
中武「年金の支払通知を無視していたら銀行口座を凍結されたんです。そうなるともう、一番出費の多い家賃を捨てるしかなくて。
アルバイトをしてお金を貯め、払うものを払い終えて(元夫に預けていた)息子を迎えに行きました」

――それはどれくらいの期間でした?
中武「丸々2年くらいです」

――住まいはいわゆる段ボールハウスですか?
中武「私がたどり着いたのは、とても大きな公園だったんです。そこにいたホームレスのおっちゃんたちが小屋を建ててくれて、アルミ缶の拾い方などを教わった通りにやっていたら、生き延びることができました。
本名も生い立ちも知らないおっちゃんたちですけど、彼らにはギブ&テイクみたいな考えはないんですよね。『バイトでお金をもらえたからみんなでおいしいものを食べよう』みたいに、自分で勝手にギブをして、テイクは求めない。横のつながりが温かいというか、薄情じゃないんです。
私がたまたま運がよかっただけかもしれないですけど…。そんなときに昔、番組を卒業する際にさんまさんからいただいた手紙を思い出したんです。
『かなちゃんの笑顔には元気づけられる。だから笑っていることを大切にね』って。そういえば私、全然笑ってないなと気づいて、泣き笑いでもいいからヘラヘラしていようと決めました。
内緒にしていたママ友にも『実はホームレスで…』と話したら、知ってたよって。自分たちからは言えなかった、お風呂入りにおいでよ、(暑かったら)涼みにおいでよと。その瞬間まで、自分はプライドの塊で生きてきたんだなと気づかされました」

――今はもう、食べていけてるんですね?
中武「はい。税金もちゃんと払えています」