新井監督続投で失速カープの大ナタは…? コーチ人事とキーマン2人の動向

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム 広島 (C)週刊実話Web
昨シーズンから2年連続Bクラスが確定し、去就に注目が集まっていた広島東洋カープ・新井貴浩監督が、来季も続投することが決まった。

新井監督は現役時代から人気選手であり、人格も立派だが、続投に対するファンの反応は冷ややかだ。

昨年は途中まで首位争いすら演じていたが、次第に失速し、9月は5勝15敗でCS進出を逃す大失態。

今季も序盤こそAクラスだったが5位に沈み、本拠地・マツダスタジアムは空席が目立っている。

破竹の3連覇とカープ女子効果で超満員だった時代はどこへやら、ファン離れはシャレにならず、ガラガラの日々だ。

そんな中で決まった新井監督の続投、ファンがヤキモキするのも無理はない。

「打撃こそ首位打者・小園海斗を筆頭にチーム打率リーグ2位だが、本塁打はワーストで中日以下です。
チーム防御率は打低時代に3点台でリーグ5位と、投打が噛み合わないチームの典型と化している。
その割に、昨年から目立った補強もなく、手を打たないままシーズンを終えてしまう。ファンが新井監督続投=停滞の象徴と感じるのも当然です」(広島メディア記者)

とはいえ、新井監督の続投が決定したとあり、ファンからはコーチ陣入れ替えの要望が相次いでいる。だが、これもあまり期待できないそうだ。

「コーチの入れ替えは、ここ数年毎年のように言われている課題。それでもオフには何事もなかったかのように同じ体制で始動するので、来季もこの布陣で開幕し、また成長なく同じ結果に終わるのでしょう」(同)

だが、今年はたるんだチームを一気に目覚めさせる補強のチャンスがあるという。

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元カープ2人のキーマンの行方は…

それは、メジャーリーガーの前田健太・鈴木誠也というカープ出身2大スターだ。

前田は先日、来季からの日本球界復帰を明言。鈴木も後半戦の大ブレーキによってメジャー契約の維持が危うく、日本球界復帰も一部で取り沙汰されている。

カープは2015年にニューヨーク・ヤンキースから黒田博樹が復帰し、翌年からチームが3連覇の黄金時代を迎えた例がある。

これは、黒田が戦力として稼働したのはもとより、技術継承や精神的支柱として選手を刺激した面も強い。

厳しいメジャーで1年目から16勝を挙げた前田、失速したものの30本塁打近くを放った鈴木が加入すれば、停滞した新井カープが一気に化ける可能性は高い。

だが、これも望みは薄いようで…。

「前田・鈴木ともに、家族の意向もあって在京球団を志望しているんです。
カープは資金力がありませんし、広島への復帰は“古巣への愛着”に懸けないと難しいでしょう」(セ他球団関係者)

しかし、完全に可能性がないわけではない。まだまだ活躍が見込める鈴木と違い、引退間近の前田なら復帰もなくはないそうだ。

「唯一あり得るとしたら、ここ1~2年での引退が濃厚な前田に、球団が『ちょっとの辛抱』と割り切って破格の年俸を用意することでしょうね。
短期間なら家族を説得することもできるでしょうし、功労者なので不満も抑えられるでしょう。
鈴木はまだまだ主力で引く手数多なので、ここを諦めてリソースを前田に絞るのも理に適っています」(同)

いずれにせよ、今のカープは停滞しきっている。

コーチ陣の入れ替えさえ期待できないのなら、ゆかりある大物を持ってくるほか、選手の刺激やファンを呼び戻す術はない。

いわば鈴木と前田はカープにとってキーマンと言えるが、争奪戦も予想されるため、事態はそう簡単に進みそうではない。

ましてや、争奪戦に敗れれば…来オフに待っているのは新井監督の退任会見か。