
B&Bが東京に進出してすぐに漫才ブームが起きました。ブームに乗ったのが、今いくよ・くるよ姉さん、島田紳助・松本竜介、ツービート、オール阪神・巨人、ザ・ぼんち、西川のりお・上方よしお等々だった。島田一門が3組も売れて、師匠は物凄く喜んでましたね。3組も弟子が売れるなんて、そうザラにあることじゃないですから。1組売れるだけでも、大変なんです。
今いくよ・くるよ姉さんは努力の人。女性コンビで後にも先にもあれだけ売れた人たちはいないと思います。売れた期間も長いですしね。そもそも、漫才は男だけのコンビが多いから、営業に行くと、1組くらい女性コンビを入れたいんですよ。名前も売れていて実力のあるコンビをね。だから、すごく貴重な存在だったんじゃないかな。
漫才ブームの頃は、東京で一緒になると、島田一門の3組でよく食事に行きました。芸の話なんてほとんどしません。姉さんたちは「体は大事にしいや。無理したらあかんで。芸能界は長丁場やから」と、いつも気遣ってくれました。
吉本芸人で食事に行くと、必ず一番先輩(芸歴)が全部支払うんですよ。3組で行くと、「B&Bが一番儲かってるけど、私らが払ってあげるわ」って言われたものです。姉さんたちも売れてたんですけどね(笑)。
漫才師なんて誰が売れるか分からない
漫才は本当に誰が売れるかなんて分からない世界です。漫才ブームが終わった後、埼玉県の所沢で会場を借りて、若手も呼んで漫才大会を開催したことがあった。その中に、キャイ〜ンがいて、ウド鈴木には「その顔で売れんかったらダメやな」と一発かましたんです。相方の天野ひろゆきが悩んでいた時期には「悩むだけ損やがな。芸人で売れるなんて宝くじ当てるより難しいからな。じっくり構えて、自分を信じて頑張ればエエねんで」とアドバイスしたら、本当に売れましたね。
少し前、天野は「(俺に)そう言われなかったら、芸人を辞めていたかもしれない」とテレビ番組で話してました。後輩芸人は何百人もいますけど、話すたびに「がんばれや」と声をかけます。でも、誰が売れるかなんて分からないんですよ。
M-1審査員を5年務めましたけど、優勝したからといって売れるわけじゃないですしね。優勝直後は、テレビ番組の出演が増えるかもしれないけど、却って、2位や3位だったコンビのほうが売れることもあるんです。
テレビで必要とされる芸と舞台の漫才で必要とされる芸は違うんです。紳助・竜介だって、NHK上方漫才コンクールは3位だった。当日、会場で一番ウケていたんですけどね。
結局、紳助は漫才ブームで売れて、名司会者として数々のレギュラー番組を持った。紳助が売れた時に「漫才で売れてよかったな。大学へ行くのも1つの道やけど、漫才でここまで売れたら、漫才師のほうがエエやろ」と話しました。
また、紳助に「俺たちの漫才を見て、漫才師になろうと思ったらしいやんか?」とふると、「はい」と答えたから「これだけ売れたんやから、なんぼか金を払え」ってオチで言ってやりましたよ(笑)。
島田洋七
1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
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