田中将大200勝に赤信号 後がないチーム事情から今季出場ナシの公算

田中将大 (C)週刊実話Web
巨人・田中将大の日米通算200勝という大記録まで残り1勝だが、今季中の達成に赤信号が灯っている。

田中は大記録を前に足踏みが続き、前回9月21日登板の中日戦でも炎上したが、阿部慎之助監督は試合後、28日のヤクルト戦への先発起用を明言した。

しかし26日になって突如、先発が横川凱に変更という登板スライドが判明。ヤクルトは防御率1点台と唯一抑え込めている相手であり、絶好のチャンスだったが…。

「発表のあった26日現在、巨人は2位DeNAに2.5ゲーム差の3位。CSの本拠地開催にはこれ以上は負けられず、猛追にわずかな望みをつなぐため、田中よりも成績がよく、少しでも勝ちを計算できる先発に変えたというわけです」(スポーツ紙記者)

このチーム状況は、問題を複雑にしている。

阿部監督はこれまで、3位転落のかかったDeNA戦で田中の200勝チャレンジを行うなど、「どうせ3位確定」と消化試合のような采配を繰り返していた。

しかし、いよいよ3位が現実味を帯びると、阿部監督には解任の噂も立つように。これを意識してか、2位の奪回に本気なのだ。

26~27日のDeNA直接対決の成績次第では、本拠地でCSを迎える2位に滑り込める可能性が残っている。記録達成登板に割く余裕はなくなり、田中からすればチーム事情の前に優先順位を落とされた格好だ。

「前回は2位を捨てるような形で200勝を狙ったが、今回は逆。チームが2位を目指す以上、田中のために日程をいじる余地はない。200勝を目前にして、本人が避けたかったであろうドタバタ劇になりました」(球界関係者)

【関連】巨人・阿部監督“続投”白紙撤回危機 連日のブーイングで球団内部に異変

今季最終カードの達成も厳しいチーム事情

これにより、田中に残された登板機会は9月30日と10月1日の東京ドーム・中日戦のみとなった。

だがデータを見る限り、田中の対中日防御率は3.52と、投高打低のシーズンでは頼りない数字だ。

貧打の巨人打線を考えても、勝ち投手の権利を得る5回までにこれ以上の援護が入るのは想像しづらい。

「もちろん希望がゼロではない。中日打線も得点力不足が深刻で、田中が5~6回を2失点程度にまとめれば勝利の可能性はあるが、中日が“接待”でもしないと高いハードルです」(同)

となれば残された選択肢は、来季開幕から改めて200勝を狙うプランだ。

「早く記録達成して自由に起用したい球団にとっては不本意だろうが、シーズン序盤から話題づくりができる面もある。今季中に200勝を逃すことが、逆に“来春マー君200勝祭り”を演出する材料になるだろう」(他球団親会社関係者)

それでも、ファン心理は複雑だ。

移籍1年目とはいえ、大投手であることに変わりはなく、生え抜きスター・坂本勇人と小学校の時にバッテリーを組んでいたというドラマのような縁もある。

200勝は早く見届けたいところだが、3位転落の戦犯であり、尻に火がついてから慌てて登板回避するチーム事情への不満も渦巻いている。

自身のテーマ曲『あとひとつ』のところで、200勝ロードは最大の試練を迎えている。