【難読漢字よもやま話】「蟋蟀」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「コオロギ」

【漢字の由来と語源】
「コオロギ」の語源はその鳴き声に由来すると考えられています。「コロコロ」という鳴き声を表現した「こおろ」に、虫を表す接尾語「ぎ」(例:とんぼ、ばった → とんぼぎ、ばったぎ)が付いて「コオロロギ」となり、それが転じて「コオロギ」になったとされています。

漢字については諸説ありますが、「蟋」という字は虫偏に「悉(ことごとく)」という字が組み合わされており、コオロギの細い鳴き声が隅々にまで響き渡る様子を表しているという解釈があります。

また、「蟀」は虫偏に「率(ひきいる)」という字が組み合わさっており、集団を率いる、まとめるという意味合いがあります。コオロギが鳴く様子から、秋の虫たちを代表する存在であるという意味合いが込められているのです。

【コオロギに関する豆知識】
●世界には約900種類もの仲間がいる
実はコオロギは世界中に広く分布しており、約900種類もの仲間がいます。

●鳴き声が種類によって違う
コオロギは種類によって鳴き声が異なり、それぞれ独自の「歌」を奏でます。専門家は鳴き声を聞き分けることで種類を特定できるほどです。

また、コオロギの鳴く速さは気温と関係があり、気温が高いほど速く鳴きます。昔の人はコオロギの鳴き声で気温を測っていたとも言われています。

●オスしか鳴かない
コオロギの鳴き声は主にオスが出すもので、メスを惹きつけたり、他のオスに縄張りを主張したりする役割があります。

ちなみに、音は羽をこすり合わせて出します。これはギターやバイオリンのように、羽にある「やすり」のような部分と「こすり器」のような部分を摩擦させることで、音を出す仕組みです。