120年の時を経てDNA鑑定で浮かび上がった「切り裂きジャック」犯人像の核心部分

Wikipediaより
世界で最も有名なシリアルキラーといえば「切り裂きジャック」ではないだろうか。

19世紀のロンドンに現れたこの連続殺人犯は、1888年8月31日深夜の犯行を皮切りとして、わずか2カ月半の間に20代~40代までの5人の娼婦を殺害した。

喉や体を切り刻む残忍な手口がマスコミに報じられ、ロンドン市民を恐怖のどん底に叩き込んだが、いまだに犯人が分からずじまいだ。

だが、最新のDNA鑑定で犯人像が浮かび上がったとされている。

ショールから検出されたDNAが一致

当時、100人以上の容疑者を取り調べ、その過程では疑惑の濃厚な複数の容疑者が上がったが、いずれも切り裂きジャックと断定するには至らず、最終的に警察は犯人が自殺したか、残虐行為の極みに及んで発狂したに違いないという見解を公表して捜査を打ち切った。

時は流れ、最新の証拠とDNA鑑定によって真犯人として浮上したのは、ポーランド系移民の理髪師アーロン・コスミンスキーである。

専門誌の法医学ジャーナル誌に掲載された研究論文によると、4人目の被害者キャサリン・エドウッズが身に着けていたショールから精液が検出され、そのDNAがコスミンスキーの子孫のDNAと一致したという。

その名前が取り沙汰されるのはこれが初めてではない。コスミンスキーは当時から有力な被疑者のひとりだった。

コスミンスキーは事件当時イーストエンド近辺に住んでおり、犯罪歴があったこと、そして売春婦をひどく憎んでいたこと、さらに目撃者の証言があったことから容疑者として当局に逮捕されていた。

しかし目撃者は一転して証言を拒否し、コスミンスキー自身が精神病を患っていたため捜査は進まず、結局起訴はされなかった。

コスミンスキーは1919年、強制入院先の精神病院で死亡している。