ザ・スパイダース『あの時君は若かった』は若々しいエバーグリーンであり続ける名曲

ザ・スパイダース『あの時君は若かった』
【スージー鈴木の週刊歌謡実話第8回】
ザ・スパイダース『あの時君は若かった』作詞:菅原芙美恵、作曲:かまやつひろし、1968年3月5日発売  

「怖いもの見たさ」が「かっこいいもの見たさ」に変化

グループサウンズ(GS)にはまったのは、私が高校1年の頃でした。時は1980年代前半。

初めは「怖いもの見たさ」だったのです。何だか音もしょぼいし、曲調も物悲しげ。そして歌詞も「花・星・涙・渚…」みたいな少女趣味の極致。そんなB級なGSワールドのとりこになっていった。

しかし、そんな中「これは違うぞ、楽しいぞ、かっこいいやん」と思わせるグループがありました。それこそがザ・スパイダースだったのです。

堺正章、井上順、かまやつひろし、井上孝之(のち堯之)、大野克夫…その後の活躍でも知られる多様な面々が繰り出す底抜けに明るいロックンロールを、とにかく気に入り、当初の「怖いもの見たさ」が、いつの間にか「かっこいいもの見たさ」に変わりました。

今回は、そんなスパイダースの代表作『あの時君は若かった』(’68年)を。

音楽の世界で「エバーグリーン」という言葉があります。

意味は「常緑」、転じて「時を経ても色褪せない名曲」のことを指します。この曲なんて、まさにエバーグリーン。

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