【難読漢字よもやま話】「麒麟」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「きりん」
【語源と漢字の由来】
「麒麟」は、龍、鳳凰(ほうおう)、亀と並ぶ「四霊(しれい)」の一つとされる伝説上の動物で、その中でも最も慈悲深く、穏やかな性格を持つ神獣とされています。外見は龍の頭、鹿の体、牛の尾、馬の蹄を持つとされ、全身が魚の鱗で覆われているといわれています。

また、「麒」は雄(オス)の麒麟を、「麟」は雌(メス)の麒麟を指し、この二つの漢字を合わせて「麒麟」とすることで、陰陽のバランスを表したともいわれています。

【動物園のキリンとの関係】
現在、私たちが知る首の長い動物が「キリン」と呼ばれるようになったのは、比較的新しい時代のことです。

15世紀初頭、中国・明の時代に航海者・鄭和(ていわ)率いる大航海船団が、アフリカ東海岸から生け捕りにしたこの動物を同国に持ち帰りました。

当時の中国の人々は、この珍しい動物を見て、その穏やかな性質や模様、そして角のような突起(実際はオシコーンという骨の突起)が、伝説上の「麒麟」に合致すると考えました。そのため、後にこの逸話が伝播した日本ではこの動物を「麒麟」と呼ぶようになったのです。