大河ドラマ『豊臣兄弟!』に暗雲漂うNHK放送倫理問題

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NHK上層部が深刻な事態に頭を抱えている。

悩みの種は、戦後80年ドラマとして8月16・17日に放送されたNHKスペシャル『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』だ。

本作でモデルとなった軍人の遺族が「人格を毀損された」としてBPO(放送倫理・番組向上機構)への申し立て意向を明かし、大混乱に陥っている。

すべての始まりは、8月26日に元駐フランス大使の飯村豊氏が開いた記者会見。豊氏の祖父は陸軍中将で、ドラマの舞台となった「総力戦研究所」の初代所長を務めた飯村穣氏。史実では、所内で自由な議論を促した明るい人物として伝えられていた。

ところが、ドラマで國村隼が演じた飯村氏は、部下を恫喝し、責任逃れをする卑劣な人物として描かれていたのだ。

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NHKドラマ『シミュレーション』BPO申し立て

「豊氏は会見で『祖父の人格を毀損する描き方』『歴史を歪曲、捏造して伝えている』と非難。
NHKが公共放送として誤った歴史認識を広めることに強い遺憾の意を示し、BPOへの申し立てを明言した」(全国紙記者)

さらに、NHKにとってタイミングが悪かったのが、『シミュレーション』の主演が池松壮亮と仲野太賀だったこと。2人は来年の大河ドラマ『豊臣兄弟!』で、兄弟役を演じているからだ。

「局の看板コンテンツで主演を務める2人が、放送倫理を問われる作品の主演となれば大問題。企画されていた映画もお蔵入りになる。
NHKは配信を想定し、そこから利益を見込んでいたため、5億円以上の赤字を計上することなる」(事情通)

事の重大さに気付いたNHKは秋の人事異動で、ドラマを担当したプロデューサーの更迭を決めたという。

「なぜ、こんなことになったのか? そもそもモデルとなった飯村中将を悪く描く必要があったのか? 検証委員会の発足も決まりました」(NHK関係者)

NHKに勝機なし。

「週刊実話」9月18日号より