創価学会“高齢者利益優先”政策の報い 選挙3連敗で「常勝」「完勝」のキーワードを喪失

公明党はキャスチングボートを喪失

他宗教信者だけではない。創価学会から脱会、離反した者たちへの攻撃は、およそ宗教者の常識を疑うものばかりだった。宗教学者の浅見定雄氏は、以前取材でこう答えている。

「宗教者は信仰をやめた人に対しても引き続き救済を祈り続けるものです。脱会したからといって、その人物を罵ったり嫌がらせをしたり、無理やりに引き戻そうとするような行為は、全く考えられないことです」

かつて聖教新聞紙面には脱会者に対して「ゲス」、「ヘビ」、「犬畜生」、「汚いドブネズミ」、「人間の皮をかぶった畜生」などの侮蔑用語が洪水のように溢れていた。聖教新聞2003年9月27日付の「破邪顕正」なるコラムは、その極め付きだ。

『我らの宗祖・日蓮大聖人は、悪を痛烈に罵倒する言論の大闘争を展開された。邪宗の坊主を『アブ』や『イナゴ』呼ばわりし(今で言えば、“ウジ虫野郎”とでも言ったところか)、一点の曇りも逡巡もなく、一刀両断したのである』『俗耳に入りやすい甘言で人々を誑かすウソ議員やデマ雑誌やエセ宗教。これらの魔物を打ち倒し、日本に精神復興の光をもたらすのが、正義を打ち込む創価の言論闘争だ』

あれから20年余。結局、創価学会・公明党は国内で対立する政党、政治家、宗教者などと対話も討議もできず、ジャーナリストの溝口敦氏が指摘するように3連敗の選挙で「常勝」、「完勝」というキーワードまでを喪失した。

さらに連立与党が衆参両院で過半数割れし、最後のキーワード「キャスチングボート」という切り札まで消滅したのである。まさに「大敗戦の夏」といっても過言ではない。

創価学会がこのような立場に追い込まれたのは、会員の高齢化とか活動量の低下を理由にする主張ばかり目にするが、実態は公明党支持者を世代別に分析した調査データに答えがあるのではないか。