人に頼ってもいい…挫折と再生を描く『僕の中に咲く花火』を肴に“父と息子”で晩酌はいかが?

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【LiLiCoオススメ肉食シネマ 第316回】『僕の中に咲く花火』
田園風景の豊かな岐阜県の田舎町に暮らす大倉稔(安部伊織)は、小学生のころに母を亡くし、家にほとんど帰ってこない父(加藤雅也)と、家に引きこもっている妹・鈴(角心菜)に頭を悩ませていた。
母を慕う稔は死者と交流ができる霊媒師を訪ね、ドラッグが臨死体験に似た働きをすることを知る。非行に走り始めた稔は、東京から帰省した朱里(葵うたの)と出会い、母親のようなの優しさに、心の寂しさを埋めてくれる存在になっていくが…。

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母を亡くした悲しみ&恐怖と向き合う

私は疲れたとき、ハッピーな映画ではなく、疲れてる主人公が登場する映画を見るようにしています。自分がイマイチな状態でも、その主人公に寄り添って自分の悩みと重ね合わせる。

そうすると、妙に親近感が湧いてくる。人生に悩みは付きものです。この作品の主人公を見つめたとき、一度、私と遊んでほしいと思った。元気をあげられると確信したからです。

とても静かな作品です。セリフの行間を感じ取ることで、登場人物の心情が何倍も理解できます。舞台は岐阜県の田舎町。18歳の稔は母を亡くした悲しみに耐えながら、ゆっくりゆっくり心を開いていく。

周りにいる人々に支えられながら、死への恐怖と向き合って、今を生きていくことの大切さに気付いていきます。

稔はきっと、もともと静かで優しい人なんだと思う。でも、その優しさをどう相手に伝えるかで苦戦してた。そして不幸が続き、さらに人と馴染めなくなった。