人に頼ってもいい…挫折と再生を描く『僕の中に咲く花火』を肴に“父と息子”で晩酌はいかが?

 

監督が自身の経験を脚本にして映像化

不登校で引きこもりの妹も家族に対して心を閉ざしているが、稔は一生懸命に言葉を選びながら何とか繋がろうとします。妹が恥ずかしそうに感謝を伝えるシーンがとても愛らしくて、稔の気持ちになって見たら心がギュッとなりました。

父親は、あまり家に帰ってこない。演じるのは加藤雅也。息子に不器用に近づく姿がとても印象的。私の大好きな俳優で、映画『ニワトリ★スター』での思いっきりのいい演技を褒められたことで、私は俳優として自信がついた過去があります。

稔はたまたま出会った東京から帰省した年上の朱里と接する中で、少しずつ気持ちに変化が見え始める。なんか、人の心が読める感じの朱里と初対面の場面で“稔と話せば何かの化学反応が起こるのでは?”と、彼を救いに来たように感じ取ることができました。

この作品を機に、“父と息子で一杯”というのはいかがですか? 人を頼ってもいいんです。支えてもらっていいんです。清水友翔がご自身の経験をもとに脚本を書き、長編監督としてデビューを飾った作品。

人を知りたい、好きな人には感じ取れるものがたくさんあるはず。悩みたいときはとことん悩んで、それを過去に置いてきてください。泣きたいときも思いっきり泣いて、その涙を過去に置いて、次には笑い過ぎの涙を流してほしい。立ち直るのは自分自身でしかできないのです。

『僕の中に咲く花火』
監督・脚本:清水友翔
出演:安部伊織、葵うたの、角心菜、渡辺哲、加藤雅也、水野千春、佐藤菜奈子、平川貴彬、米元学仁、桜木梨奈、田中遥琉、古澤花捺、國元なつき
配給:彩プロ
8月30日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

「週刊実話」9月11日号より

LiLiCo(リリコ)

映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。