石破首相「退陣」Xデー 総裁選前倒し可否が決まる9月2日の攻防戦

石破首相に風が吹いている?

「お盆明けに党執行部で総裁選前倒しの票読みをしたところ、過半数に届くのはなかなか難しいという結果になった」(関係者)

国会議員票が295、都道府県連票は47なので過半数は172だが、確実に前倒しを求めるとみられるのは100人ほどだったという。

「参院は反清和会の松山政司参院議員会長と石井準一参院国対委員長の2人が押さえているので半分にも届かない。衆院は、安易に石破おろしに加担すると選挙が怖いので、やはり過半数にはいかない」(同)

前倒しの可否は、要求する人だけが記名で意思表示して決めるが、森山氏と総裁選管理委員会の逢沢一郎委員長とで諮り、その際に名前を公表する方向となった。

中堅議員の1人は「世論は判官びいきだ。反石破の烙印を押されると、衆院解散・総選挙になったら勝てない」と本心を明かす。

厭戦ムードに傾きつつある党内の状況を察知してか、当初は森山氏に追随して辞任するつもりだった小野寺五典政調会長は周囲に、秋の臨時国会に向けた立憲民主党との政策協議への意欲を語り始めた。

お盆までは、石破首相の退陣は時間の問題とみられていたが、自らに風が吹きつつある中で、首相はこの先の青写真をどのように描いているのか。

首相官邸に詰める政府関係者が話す。

「総裁選前倒しを阻止すれば、まずは森山氏の処遇を含めた人事だ。その次に立憲民主党と日本維新の会、国民民主党の主要野党3党との協力関係づくりを進めることになる」

この関係者によると、首相の最優先事項は森山氏の慰留だ。

森山氏は自民党内に目を光らせるだけでなく、国会運営から野党対策までを担う「政権の大黒柱」であり、森山氏が退けば政権が一気に不安定化する恐れがあるのは、首相も「よく分かっている」という。

永田町水面下バトル(2)】へ続く

「週刊実話」9月11日号より