石破首相「退陣」Xデー 総裁選前倒し可否が決まる9月2日の攻防戦

石破茂(C)週刊実話Web
【永田町水面下バトル(1)】
石破茂首相の進退を巡る政局は大詰めを迎えた。自民党が参院選惨敗の総括をまとめ、総裁選日程前倒しの可否が決まるからだ。首相は続投になお意欲を示すが、党本部では総裁選実施に備えた投開票の日程案組み立てが進む。首相は万事休すとなるか――。(全2回中の1回目)

石破首相「清和会の連中のいいようにはさせない」

「清和会(旧安倍派)の連中のいいようにはさせない。過半数に届かなければ信任されたことになる。その場合はどうぞよろしくお願いします」

8月18日夜、石破茂首相は首相公邸で受けた森山裕自民党幹事長からの電話にこう話した。

森山氏は、8月末に参院選総括の原案を首相に示し、9月2日か5日に両院議員総会を開く段取りを説明すべく電話を入れた。

合わせて、総会が終われば総裁選を前倒しで行うかどうかの結論を速やかに出す考えも伝えた。

森山氏は、参院選での大敗でいったんは退陣を決意した首相を翻意させた張本人だ。

それだけにこの間、どうすれば政権を維持できるか思案してきた。その答えが総裁選前倒し実施の可否を党内で諮ることだった。

森山氏に近い自民党関係者が話す。

「旧安倍派や旧茂木派、麻生派を中心とする反石破勢力は首相の退陣と総裁選の前倒しを求めている。
ならば、そうした勢力が全体の半数を超えるのか試してみればいい。過半数になれば退陣は不可避だが、取れなければ『石破おろし』は沈静化するしかない」

その場合、首相は信任を得られたものとみなし、現体制を継続すべく森山氏を慰留するとみられている。

冒頭の発言はそうした首相の思いと、続投に対する強い意欲が表れたものに他ならない。

世論調査での内閣支持率上昇や、退陣より続投を求める数字の多さ、日米関税交渉の決着を受けた日経平均株価の最高値更新が追い風になっているが、首相に自信を与えているものは、それだけではない。