創価学会「敗戦の夏」池田大作名誉会長の逝去から間もなく2年“池田家のいま”

池田大作氏は「あとは君たちに任せた」突然の引退宣言

世襲(空位の名誉会長を継ぐか、現・原田稔会長の交代を経て新会長となるかのいずれも含む)が仮に今年11月18日(創価学会創立記念日)前後になるとして、幹部と池田氏子息の年齢は次のようになる。

ただし、原田会長の任期は半分=2年残っているから重大な交代理由が必要だ。

●原田会長続投→84歳
●長男・池田博正氏→72歳
●三男・池田尊弘氏→67歳

お分かりだろうか。誰が継いだとしても超高齢指導者に違いない。

もとより名誉会長の池田氏は、青年部を持ち上げる一方、老幹部の起用を意図的に避けてきた。これだという若者活動家に目をつけ、公明党に送り込んできたのだ。

現・原田会長が前任の秋谷栄之助(会長職としては25年以上)から2006年11月にバトンを渡された1期目途中で、池田氏は「あとは君たちに任せた」なる突然の引退宣言。この時から原田体制の後継を自ら決する必要に迫られたわけだ。

「ここで、池田氏子息世襲は実質的に消えたのです。池田氏の言う『君たち』とは、当時の学会執行部であって、子供の名前は出ていない。
それを素直に解釈せず、予想トバシ記事ばっかり出回った。一昨年の池田氏逝去でも、子供の処遇を託すなら2人の役職に変化があっておかしくなかった。何も起きなかったのです」

これは30年以上の付き合いがある学会幹部の弁だ。流れを整理してみよう。

創価学会「敗戦の夏」前編(2)】へ続く

「週刊実話」9月4日号より

山田直樹

1957年埼玉生まれ。週刊文春記者を経て、フリージャーナリストに。著作に『創価学会とは何か』(新潮社)、『宗教とカネ』(鉄人社)、『新宗教マネー』(宝島社)、『ルポ企業墓』(イースト・プレス社)など多数。