キアヌ・リーブスがスタローン化?「ジョン・ウィック」シリーズ最新作『バレリーナ』

ジョン・ウィックは「御大」として登場

中でも本作の目玉は、「火炎放射器」対「放水ホース」の闘いです。これは楽しい。アクション映画って、ややこしいことは何も考えないで楽しめたらいいんだよなと、改めて思いました。

ただ、人気シリーズだけあって金はかかっています。セットも小道具も凝りに凝っているし、激闘が繰り広げられるロケ地もゼイタク。

親と暮らしていた孤島から、仇を追ってNYからチェコのプラハ、オーストリアののどかな山麓の村まで、最後まで楽しませてくれる良質なベタ映画であることは間違いない。

ただ、アクションシーンに振り切っているせいで、セリフも少なく、説明的なシーンがないんです。なので、事前にパンフレットで話の筋を頭に叩き込んでおくことをお勧めします。普通にドンパチするだけだろうと舐めてかかったら、確実に混乱しますから。

で、ジョン・ウィック。実は、自分はこのシリーズを初めて見たんですが、第5作目にして「御大」として登場。最近のシルベスター・スタローンやジャッキー・チェンの映画を思い出しました。こういう在り方も、定番なのでしょう。

ところで、20数年前にキアヌ・リーブスが来日した際、記者会見の場で本人が飲んだ『エビアン』のペットボトルが、そのときの写真と一緒に我がコレクション棚に鎮座しています。

芸能人が飲んだ空き瓶やタバコの吸い殻を収集テーマの一つとしていたんです。自分が死んだら、一切合切、ゴミとして廃棄される運命ですけどね。

バレリーナ:The World of John Wick
監督:レン・ワイズマン
製作:チャド・スタエルスキ
出演:アナ・デ・アルマス アンジェリカ・ヒューストン ガブリエル・バーン ノーマン・リーダス イアン・マクシェーン キアヌ・リーブスほか
配給:キノフィルムズ
8月22日(金)全国公開

「週刊実話」9月4日号より

やくみつる

漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。