キングメーカー・麻生最高顧問が目論む9月「玉木政権」誕生の党内抗争

裏では「予算編成」を睨む財務相も蠢動

また首相は、TICAD後となる8月下旬の訪米を模索しており、トランプ氏との首脳会談で日米の「黄金時代」をアピールできれば、政権維持につなげられるとの計算も成り立つ。

問題は後任の幹事長だ。

首相側が想定する森山氏の正式な辞意表明は、参院選の敗因検証がまとまる8月末。この日程を念頭に、首相は後任人事の検討に入っており、小野寺氏と浜田靖一衆院議院運営委員長、そして、小泉進次郎農水相の名前が浮上している。

一方、政権の枠組み拡大の対象としては、首相の「盟友」であり、先日まで前原誠司氏が共同代表を務めていた日本維新の会が真っ先に挙がる。

菅、森山両氏も太いパイプを持つ維新内からは、「大阪副首都」構想の推進を条件に連立入りすべきだとの声もある。

ちなみに、内閣不支持率は依然として高く、ノックアウト寸前の首相の訪米をトランプ氏が受け入れるかは未知数。

頼みの維新が自民の「刷新」にこだわれば菅、森山両氏はむしろ小泉氏を次期総裁候補に立て、主流派維持を図る可能性が高い。

石破首相は脅威の粘り腰を見せるのか、大方の予想通りここで命運が尽きるのか。

ただ、首相が退陣しても野党との連携が不首尾に終われば、新首相は自公の少数与党での再出発を余儀なくされることになる。

2026年度予算案を編成しなければならない財務省は、こうした事態も想定して、自公だけでなく立憲民主と国民民主、維新の3野党幹部にも、秋の臨時国会前に「与野党代表者会議」を新設するよう働き掛けを進めている。

会議の運営を支えるため、野党各党のブレーンも入れた有識者会議の人選も進め、一部の学者からは内諾を得た。

しかし、この仕掛けも「財務省主導だ」として、世論の反発を受ける可能性は十分にある。日本の行方はいよいよ見通せなくなってきた。

「週刊実話」8月21・28日号より一部内容を変更