【難読漢字よもやま話】「鬱蒼」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


自然の豊かさを想起させることも
【「鬱」は「におい」の意味から転じた?】
もともと「鬱」は、「香気がこもる」「香りが立ち込める」といった意味がありました。そこから転じて、「気がこもる」「ふさがる」といった現在のネガティブな意味合いに変化したと言われています。実は“香り”が語源というのは意外ですね。

【実は「鬱蒼」はポジティブ表現にも使える】
「鬱蒼」という言葉は「暗くてジメジメした森」のようなネガティブなイメージで捉えられがちですが、例えば、「鬱蒼とした鎮守の森」のように使われる場合、神聖さ、歴史の深さ、自然の豊かさといった、荘厳で肯定的なイメージを喚起し、自然の偉大さを表現する際にポジティブな意味合いで使われることもあります。

こうした漢字の背景を知ると、「鬱蒼」という漢字が、ただ暗いだけでなく、奥深い自然の営みや詩的情景を含んでいることがわかりますね。

日常の言葉に“深み”を与えてくれるのが、こうした難読漢字の魅力です。