【難読漢字よもやま話】「河豚」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「ふぐ」
【漢字の由来】
「河豚」は、その字面から魚を連想しにくいた難読漢字ですが、この二文字が使われるようになったのには、それぞれ説があります。

フグの中には、産卵のために淡水域である川(河)に遡上する種類や、河口付近に生息する種類がいたため、「河」の字が当てられたという説が有力です。

一方、「豚」の字はフグが敵に遭遇したときに体を膨らませて丸くなり、その丸々とした姿が豚を連想させるという説、また、釣られたり捕まえられたりすると、「ブーブー」「グーグー」とまるで豚のような鳴き声を発することから使われたという説があります。

【日本人は縄文時代から食用に】
フグは内臓や皮膚に毒を持っていますが(種類によってはないものも)、日本では古くからフグを食べる習慣があり、なんと縄文時代の日本各地の貝塚からもフグの骨が出土しています。

しかも、それが特定の地域だけでなく、縄文時代の様々な遺跡から見つかっており、これは偶然の摂取ではなく、日常的な食料の一つとして意識的に利用されていたことを示唆しています。

最大の謎は、毒のあるフグをどうやって食べていたのか? ということに尽きますが、縄文人がその毒性を知らずに食べていたとは考えにくく、経験則によって毒のある部位とない部位を識別し、毒を除去する技術を持っていたと推測されます。

危険を冒してまでなぜ食べたのかという背景には、フグの身は非常に美味であり、その味を知っていたこと、タンパク質などの栄養が豊富で、沿岸地域では比較的容易に捕獲できる魚だった可能性が指摘されています。