【難読漢字よもやま話】「山葵」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識



正解は「わさび」
【漢字の由来と語源】
「山」は、わさびが清らかな水が流れる山間の渓流や沢で自生することに由来します。日当たりの悪い湿った場所を好むため、「山」という字が使われました。

「葵」は、アオイ科の植物を指します。わさびの葉の形が、このアオイ科の植物の葉に似ていることから「葵」の字が当てられたと言われています。

ちなみに、「あおい」という言葉自体が、古くは「青い(緑色)」に通じ、生命力あふれる緑の植物を指す言葉だった、という説もあります。これらの理由から「山で育ち、葉がアオイに似ている、生命力ある緑の植物」という意味で「山葵」と書かれるようになったとも考えられます。

【わさびに関する興味深い豆知識】
●実はアブラナ科の植物
わさびはアブラナ科に属し、大根やキャベツ、からしなどと同じ仲間です。この科の植物が持つ辛味成分(アリルイソチオシアネート類)がわさびの独特の辛さの元です。「ツーン」鼻に抜けるような辛味が食欲を誘います。

●意外にデリケート
良質な本わさびは、年間を通して10~15℃の冷たく清らかな水が豊富に流れる渓流でしか育ちません。このデリケートな栽培条件が、わさびが高価である理由の一つです。