【難読漢字よもやま話】「鞦韆」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識



正解は「ブランコ」
【漢字と読み方の由来】
「鞦韆」は中国発祥の言葉で、「しゅうせん」、または「ブランコ」と読みます。

「鞦(しゅう)」は皮革でできた座席や、それを吊るすための横木を、「韆(せん)」は鞦を前後に揺らす様子を表します。つまり、「鞦韆」は、皮革の座席を揺らして遊ぶ遊具を指す言葉として生まれました。

また、「ブランコ」という言葉は明治時代以降、西洋文化の導入に伴い、「揺れること」「揺り動かすこと」を意味するポルトガル語の「balanço(バランソ)」が伝わったとされます。これで、「鞦韆」が「ブランコ」と読まれることが定着したと言われています。

【日本における歴史】
もともとは大陸の北方民族が樹木の枝などに縄を吊り下げて遊んだのが始まりとされており、紀元前4世紀頃の春秋戦国時代には既に存在したとされ、特に漢代(紀元前206年~紀元220年)には「鞦韆」という言葉が見られます。

日本では奈良時代に中国から伝来したとされ、当時は貴族の遊びとして楽しまれました。平安時代には宮中の女性たちが、優雅に鞦韆を楽しむ様子が描かれた絵巻物などが残っており、江戸時代になるとそれが庶民の間にも広まり、子供たちの遊具として親しまれるようになりました。