【難読漢字よもやま話】「蠱惑」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「こわく」
【言葉の意味と由来】
「蠱惑(こわく)」は人の心を強く引きつけ、まどわすこと。なまめかしく人を魅了すること。どこか危険で妖しい魅力を持つことを指します。

また「蠱惑」の由来は、「蠱」と「惑」という二つの漢字から成り立っています。「蠱」は、器の中に虫が三つ(たくさんの虫)いる形を表しています。

もともとは古代中国の呪術「蠱毒(こどく)」に由来するとされます。これは、さまざまな毒虫を同じ容器に入れて共食いさせ、最後に生き残った最も強い毒虫を「蠱」と呼び、その毒や魂を用いて人を呪う、恐ろしい術でした。

このため、「蠱」という漢字には、毒、呪い、人を惑わす、まやかしといった、禍々しくも強力な力を持つ意味合いが込められています。

一方「惑」は、「心」と「或(まどう、疑う)」から成り立っています。「心」が「或(疑いや迷い)」に囚われる様子を表し、「心が迷う、混乱する、惑わされる」という意味を持ちます。

これら二つの漢字が合わさることで、「蠱惑」は、呪術的な毒や魔力によって人の心を強く引きつけ、惑わし、正気を失わせるような、深く妖しい魅力を表現する言葉となりました。単なる魅力的であること以上の、危険で抗いがたい誘惑のニュアンスを含んでいます。