【難読漢字よもやま話】「簾」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


日本の夏を象徴するアイテム
●簾の効果
日差しを遮るだけでなく、風通しを良くし、室内の温度上昇を抑える効果も。また、適度な遮光性により、目に優しい光を取り入れることができます。さらに、外からの視線を遮るプライバシー保護の効果もあります。

●簾と季節
夏の暑さを和らげる日本の知恵として古くから使われてきました。近年では、地球温暖化対策としても注目されており、省エネ効果のある涼感グッズとして見直されています。

●簾と文化
簾は、日本の住居文化に深く根ざしています。茶室や数寄屋建築などにも用いられ、侘び寂びの美意識を表現する要素の一つとなっています。また、時代劇などにもよく登場し、日本の伝統的な風景を彩っています。

【御簾と平安貴族の文化】
簾の中でも、特に貴族の邸宅で使われた、より豪華で装飾的なものを前述通り「御簾(みす)」と呼びます。平安時代には、公家や貴族の屋敷で部屋を仕切ったり、女性が外部から顔を見られないようにするために重要な役割を果たしました。

当時の女性は、結婚するまで男性に顔を見せてはいけないという慣習があったため、御簾の奥に控え、用事がある時はそこから声だけを発するのが一般的でした。