「フェイクニュースに対抗するには週刊実話を読むのがいい」蝶野正洋がネット選挙の影響力と問題を指摘

「フェイクニュースが大前提になるかもしれない」

それと、今回の参院選ではネットの影響力が改めて示されたね。テレビや新聞などのメディアで報道しきれないような情報が、ネットじゃないと得られなかったから、有権者は大いに参考にしていた。

そこで問題になったのが、意図的な発言の切り抜き動画や、AIなどで加工したフェイクニュースが出回ったことだね。

嘘の情報が知り合いのSNSから回ってきたりするから思わず信用しそうになるんだけど、そのアカウントが誰かに乗っ取られている場合もある。

最近、俺の周りでもインスタグラムを乗っ取られて、勝手なコメントを発信されたという人が何人もいた。こういうケースが増えると、メールやLINEだって怪しく思えてくる。

20年以上前にネット掲示板が流行っていた頃、そこに書かれていることはウラも取ってない“便所の落書き”といわれていた。

そのうち出回っているニュースやSNSは、フェイクというのが大前提になるかもしれない。

これを見極めるには、やっぱり受け取る側が経験を積むしかない。嘘かどうかを判断するには、いろいろな情報源のニュースに触れて、自分で精査する。選挙だけじゃない。芸能スキャンダルだって、災害情報だって同じだよ。

ただ、週刊実話の読者ともあれば、こういう部分は鍛えられてるんじゃないかな。夜のお店なんてフェイクだらけだからね。

写真とは似ても似つかない女性が出て来たり、ハタチと言いつつ40歳だったり(笑)。でも、こっちはこれまでの経験から想像力を働かせて、なんとか真実に辿り着こうとするじゃない。

フェイクニュースに対抗するには、週刊実話の表紙とか袋とじを読み込んで、経験を積んでおくのがいいかもしれないよ。

「週刊実話」8月7日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。