【難読漢字よもやま話】「贔屓」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


伝説の動物「贔屓」
【江戸のご贔屓筋と、現代の推し活】
「ご贔屓に」という言い回しは、今でも和菓子屋や老舗旅館などでよく聞かれるが、元をたどれば江戸時代の芝居文化に行き着きます。

歌舞伎や落語の世界では、ひいきの役者を何度も観に行き、差し入れや金銭的な支援をする「ご贔屓筋」が活躍していた。役者たちにとっては、命綱のような存在でした。

時代が変わり、ライブや舞台、スポーツチーム、配信者やアイドルに「推し」を持つ現代人。その姿勢はまさに、“現代版ご贔屓筋”といえるでしょう

「贔屓」とは、好みであり、支えであり、偏りであり、情でもあります。人と人、あるいは物との間に静かに流れる、目に見えない優しい力。少し重たそうな漢字ですが、使えば使うほど、その言葉に味わいが生まれてきます。

誰かや何かをそっと贔屓する——そんな想いを、心の中にそっと持っていてもいいのではないでしょうか。

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