「ロンギヌスの槍を持つ者に世界を制する力が与えられる」白内障だったロンギヌスが聖者と呼ばれるまで

 

「聖釘」はナポレオンが手にしたことも

イエスに関連する聖遺物として、十字架上で手足に打ちつけられた釘=聖釘についても触れておこう。

聖釘に関連した聖遺物として有名なのが「ロンバルディアの鉄王冠」で、その内側に取り付けられた鉄の輪は聖釘を叩き伸ばしたものとされる。

この王冠は神聖ローマ皇帝の多くが戴冠式で用いたほか、ナポレオン・ボナパルトもこれを戴冠。王冠は現在イタリアのモンツァ大聖堂で公開されている。

また、神聖ローマ皇帝の王権を象徴する槍にも十字架の刻まれた釘が埋め込まれており、これも聖釘だといわれる。

この槍は一時期ロンギヌスの槍とみなされたが、槍の鞘には3世紀のローマ軍隊長モーリスの槍だと記載がある。

ただ、いずれにせよ科学的調査では、槍も釘も7〜9世紀頃につくられたことが明らかになっている。

シン・世界の七不思議と超古代文明の謎』(小社刊)より一部抜粋